みなさんこんにちは!
公認会計士・税理士の高須賀です。
本日は「資金調達がしやすい決算書(負債・純資産編)」というテーマです。
1.貸借対照表の貸方
貸借対照表の借方には資産、貸方には負債と純資産が表示されます。
資産は流動資産、固定資産、繰延資産に分類されます。
負債は流動負債と固定負債に分類されます。
本日は貸方の「負債・純資産」に着目します。
銀行が融資をしやすい決算書の「負債・純資産」はどのような構成になっているかを説明します。
2.調達方法がわかる
銀行はなぜ貸借対照表の「負債・純資産」を確認するのでしょうか。
それは、資金をどのように調達しているかがわかるからです。
会社は調達→投資→回収というサイクルにより成長します。
調達は経営サイクルの初動とも言える大切な1歩です。
この調達に問題がないかを銀行は確認するわけです。
3.負債・純資産の内容
負債とは、他人からお金を借りてきて調達をしていることを表します。
この負債は流動負債と固定負債に分類されます。
流動負債とは、短期的に返済をしなければならない負債です。
短期的とは通常1年以内のことを言います。
固定負債とは、短期的に返済をする必要がない負債です。
返済まで1年以上あるような負債のことを言います。
純資産は、株主から調達しているお金のことを言います。
株主から調達した資金は返済義務がありません。
そのため純資産は返す必要がない調達ということになります。
負債・純資産の部は流動資産、固定負債、純資産の順で表示されます。
4.下の割合が高い方が良い
それでは、流動資産、固定負債、純資産の内どの割合が高ければ銀行は融資をしやすいのでしょうか。
答え、下の割合が高い方が融資をしやすいです。
先述の通り、負債・純資産の部は流動資産、固定負債、純資産の順で表示されます。
流動負債よりも固定負債の割合が高い方が良い。
固定負債よりも純資産の割合が高い方が良い。
というのが結論です。
5.下の割合が高い方が良い理由
理由は、手元にお金を置いておけるからです。
流動負債は1年以内返済をする必要があります。
1年以内にはお金を返すので、手元資金がすぐに減ってしまいます。
固定負債は1年以内ではないものの将来的にはお金が減ってしまいます。
純資産は、返済する必要がありませんので、手元資金をずっと確保できます。
手元資金が潤沢な会社ほど、銀行は安心して融資できます。
手元資金を潤沢にしておくためには、下の割合を高くすることが求められるのです。
本日は以上となります。
銀行融資を検討の方は「負債・純資産の部」に着目して決算書を眺めてみてはいかがでしょうか。
改善策が見つかるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。