みなさんこんにちは!
公認会計士・税理士の高須賀です。
本日は「役員名義の車を法人経費にするには」という内容です。
1.賃貸借契約書を結ぶ
営業用の車等を会社の経費とする場合、名義は会社にしておくのがベストです。
しかしながら、保険料の関係や役員個人でローンを組んでいる等の理由で会社名義に変更することが難しい場合あるでしょう。
そのような場合には、役員の個人名義のまま、賃貸借契約を会社とで結ぶことで経費にすることができます。
会社が役員から車を借りて、その賃料を役員に支払い、支払った金額を賃料として経費に計上します。
2.役員側で確定申告が必要
車についての賃貸借契約を会社と役員で交わした場合、会社側が支払った賃料は、経費とすることができます。
一方、役員側で賃料収入による所得が発生します。
所得が発生するということは、確定申告が必要になりますので注意が必要です。
年間20万円以下の所得であれば確定申告は不要という知識をお持ちの方もいるかもしれません。
しかし、役員の場合には年間20万円以下の所得でも確定申告が必要となります。
詳細は次の【参考】をご確認ください。
【参考】(所得税法第121条、所得税法施行令第262条の2)
以下の条件を全て満たす場合は確定申告不要
・給与所得者である
・1か所から給与の支払
・給与収入が2,000万円以下
・源泉徴収や年末調整を受けている
・給与所得および退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下
但し、同族会社役員が、その会社から給与の以外に「貸付金の利子」や「不動産賃料」等を受け取っている場合、
これらの所得金額が20万円以下であっても確定申告が必要。役員と特殊な関係にある人の場合も同様。
3.確定申告不要にするには
役員側で1円でも所得が発生すると確定申告が必要となります。
しかし、役員側で所得が発生しない状態であれば確定申告は不要です。
収入(役員が受け取った賃料)と経費(減価償却費、自動車税、車検費、保険料)の差額が0円以下になるように賃料設定をしておけば確定申告は不要となります。尚、プライベートでも車を利用している場合には全額を経費にすることはできませんので注意をしましょう。
4.適正料金で賃貸借契約を
車両の賃料は適正価格にて設定しなければなりません。
もし、相場よりも高い賃料を設定してしまうと、役員が得をします。
役員が得をすると、会社から経済的利益を得たとして、給与認定されてしまう可能性があります。
給与認定された場合、その金額については、経費として認められず、給与について源泉所得税も発生してしまいます。
ダブルパンチを喰らってしまうので慎重に設定をしましょう。
車の賃料を適正料金として設定するためにはリース会社のリース料を参考にしましょう。
同じ年式、同じ車種でどのくらいの料金になっているかを調べてください。
いかがでしょうか。
個人名義の車を法人で経費する場合は本日の内容をご参照頂ければと思います。
100%事業用の車両であれば法人名義にしておく方をおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。