みなさんこんにちは公認会計士・税理士の高須賀です。
本日は「融資をしたくなる決算書」というテーマです。
1.はじめに
会社を存続させるためには手元資金を潤沢にしておくことが大切です。
会社は黒字であっても、手元資金がショートしてしまうと倒産してしまうからです。
手元資金を潤沢にしておくためには銀行から融資を受ける必要があります。
本日は、銀行がどのうような決算書であれば融資をしたいと思うのかを解説します。
2.債務償還年数が10年以内
債務償還年数とは会社が借入金を何年で返済できるかという指標です。
この債務償還年数が10年以内であれば銀行は融資をしやすいと考えます。
債務償還年数は以下の計算式で求めることができます。
債務償還年数=(ネット有利子負債-運転資金)÷キャッシュフロー
・ネット有利子負債=借入金-現金預金
・運転資金=売掛金+棚卸資産-買掛金
・キャッシュフロー=当期純利益+減価償却費
3.2期連続赤字ではない
赤字が2期連続となると、赤字は一過性のものではなかった判断されてしまいます。
今後も赤字が続いていくではないか?銀行に不安視されてしまうわけです。
逆に2期連続黒字であれば、今後も黒字が続くだろうと銀行は安心して融資をすることができます。
4.債務超過ではない
貸借対照表には純資産の部があります。
この純資産の部には、利益剰余金という項目があります。
この利益剰余金を見れば、創業してからどれだけ黒字を出して来たかがわかります。
この利益剰余金がマイナスになっている会社は、創業してから累積で赤字である会社ということになります。
つまり、今日まで経営をして来たが、儲かっていない、何もしないほうが良かった会社ということになります。
更にこの利益剰余金のマイナス金額が資本金を上回った状態のことを債務超過という言います。
債務超過になると流石に銀行から融資を受けるのは難しくなってしまいます。
経営者として純資産の部を厚くしていくために毎年黒字を出していく必要があるのです。
本日の内容は以上となります。
銀行から融資を受けやすくするためには決算書がとても大切です。
融資を受けやすい決算書を意識しながら日々の経営を行うようにしましょう。