みなさんこんにちは!公認会計士・税理士の高須賀です。
本日は「赤字の場合の決算書対策」というテーマです。
1.はじめに
赤字の会社は銀行から融資を受ける際に不利になってしまいます。
特に2期連続の場合には、赤字が一過性のものではないと判断をされてしまいます。
今後も赤字が続くと思われてしまい新規の融資が受けにくくなるわけです。
そのため、赤字を出してしまいそうな時は必死に改善案を考える必要があります。
今回は決算書上出来る対策というものをお伝えします。
2.社長経費を削る
赤字の場合には、社長の交際費や旅費交通費を会社の経費としている場合でありません。
ゴルフ代や接待飲食代、出張旅費が計上されている場合には、経費から除外することを検討します。
社長の自腹で負担することで経費を削減し、黒字に転換できる可能性が出てくるのです。
この場合、気を付けたいのが社長から会社にお金を振り込んでおくということです。
例えば、交際費として会社から3万円を支出した後、これを経費から除外するのであれば、3万円を会社に振込みしておきます。
この手続きを忘れると「役員貸付金」が決算書に計上されてしまいます。
「役員貸付金」のある決算書を銀行は嫌いますので注意しなければなりません。
3.営業利益でも黒字にしておく
利益には5つの種類があります。
売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5つです。
最終の当期純利益が赤字になりそうでも、営業利益だけでも黒字にするよう心がけます。
そのための方法としては以下の2つがあります。
⓵売上原価や販管費に含まれている項目の内、臨時的・一時的な損失は特別損失に計上する。
例えば、事務所移転コストや火災・盗難による損失は特別損失に振り替える。
⓶営業外収益に計上されているものを売上高に計上する。
例えば、不動産収入がある場合には、定款に不動産賃貸業と記載すれば売上高に計上できる。
営業利益とは本業による儲けを表します。
営業利益だけでも黒字にしておくことで銀行からの印象を良くすることができるのです。
4.社長のお金を会社に貸す
決算書の現金預金の金額が少な過ぎると銀行は不安になります。
お金がない会社に融資をしていると貸したお金が返ってこない可能性があるからです。
この場合は、社長が会社にお金を貸して、現金預金を増やしておくという対策を取ります。
社長が会社にお金を貸すと「役員借入金」が決算書に載ってきますが、これは全く問題ありません。
役員貸付金はマイナスの印象を与えますが、役員借入金はプラスの印象を与えることになります。
また債務超過の場合は資本金として会社に出資をすることで債務超過を免れることも出来ます。
本日の内容は以上となります。
潰れない強い会社をつくるためには銀行とうまく取引をしていく必要があります。
本日の内容を意識して銀行と良好な関係を築くことを心掛けましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。